Art Inspirations

素人作家のメモ箱

アートと活字を愛するアマチュア作家が運営するブログ。

ジャンルを超えて、広義の「アート」から得た様々なインスピレーションやアイデアを文章で表現していきます。
絵画、彫刻、インスタレーション、音楽、ダンス、デザイン、ファッション、建築などなど。





「独り」を見つける写真|Find happiness in solitude

InstagramやPinterestで写真を眺めていると、自分のツボが分かる。 例えば、陰影がくっきりした、人のいないエスカレーターの写真。 だだっ広い階段を、赤い傘を差した人が降りていく写真。 湖の真ん中に真っ白な白鳥が一羽浮かんでいるモノクロ写真。 コン…

芸術脳とロジカル脳|感性だけではつくれないもの

実はわたくし、特技は文章を書くことだけれども、本当は絵を描くことに憧れています。 しかも、アートが好きなくせに、本業は全然関係のないシステムエンジニアをやっています。 こんな支離滅裂な人間なので、時々自分の「できること」「したいこと」「向い…

人間の生活と未来|些細な汚れが消えてしまうまえに

人間の生活は、どんどんキレイになっている。 適温に調整された室内、雨にぬれずに一日を過ごせる街、 お掃除ロボット、ヘルスケアのアプリ、 カード決済、クラウドファンディングやネットビジネス、 ノンカフェインのコーヒー、ノンアルコールビール、ター…

360度の視界|技術の進歩が表現技法の常識を覆す?

暇つぶしにYoutubeで360度動画を見ていたら、ふと、宮崎駿監督がとあるドキュメンタリー番組で呟いていたことを思い出した。 細かいところはうろ覚えだけれど、確か、「カメラ技術の発展に伴ってアニメーションの表現方法も変化する」というような主旨だった…

日本語で雨を読む

今日の都心は雨。 沖縄・奄美は早くも梅雨入りだそうで、そういえばもうそんな季節かと驚く。 雨ってやだなあ。 ・・・とは思わず、私は結構雨が好きだ。 特に、休日の雨は何だか空気が落ち着いていて良い。 雨音に紛れて喧噪も少し遠のく気がするし、普段は…

生活空間がもたらす情報と思考のバランス

このGWで人の家にお邪魔する機会が何度かあり、ふと自分の部屋を見回したら、やたら情報が多いことに気が付いた。 私は元々部屋づくりが好きなたちで、しょっちゅう模様替えをしてインテリアコーディネートの真似事をしては、ああでもないこうでもないと理…

ミュシャ展|スラヴ叙事詩の重厚な魅力

さて、先週の国立新美術館ではミュシャ展も見てきたので、今週はそちらの感想を。 www.mucha2017.jp ミュシャといえば、タロットカードのようなイラストがまず頭に浮かぶ人が多いのではないだろうか。 精密な長髪の女神が描かれていて、背景には、意味は分か…

草間彌生―わが永遠の魂|「生」の根源を描く前衛美術

草間彌生展に行ってきた。 予想以上に、面白かった。 草間彌生という人間の根源を見たような、サブタイトル通りの「魂」の展覧会だった。 まず、展示室に入ると、巨大なオブジェと壁一面の極彩色の連作に度肝を抜かれる。 まさに草間彌生。 のっけから彼女の…

芸術の奥行き

今よりもっと五感や感性で小説や絵画を楽しんでいた頃は、漠然と、「奥行き」のある作品だなあ、と感じることがよくあった。 しかし最近は、職業病というのか(といっても相変わらずアマチュアなのだけど)、表現技法とか着眼点なんかについつい目がいき、そ…

『江戸富士』と都心の桜

推敲も終わり、長編をついに完成させてから途端に気が抜けて、サボっていたらいつの間にか4月になってしまった。 桜も満開。 ということで、先日、友人と六本木に夜桜を見に行った。 桜を見てお酒でもひっかけて、屋内のレストランでのんびり食事でもしよう…

絵を描くように書く

詩集を、久しぶりに読んだ。 茨木のり子の『自分の感受性くらい』という詩集。 詩集のタイトルにもなっている詩をいつかどこかで読み、衝撃を受けたのを今でも覚えていて、手元に置いておきたくなって先日購入した。 なんか毎日おもしろくないなあ、最近愚痴…

文学とファッション、アートとデザイン

長編をようやく最後まで書き終わり、このところ推敲ばかりしていたので、1ヶ月ほど執筆と読書漬けの毎日だった。 (ブログサボっていてスミマセン。) その反動なのか、ファッションブームが目下到来中である。 おしゃれしたい!センスのある服が着たい!髪…

「鑑賞」とは何か|デトロイト美術館展の大混雑

東京で開催されている美術展に行くと決まって、芸術作品の見方について考える。 絵画をいかに解釈するかとか、どういうふうに鑑賞するべしとか、そういう頑固親父みたいな説教を垂れるつもりなのではなくて、「絵を見る場の様子や雰囲気って、どれほど鑑賞者…

ラヴェル「ボレロ」の高度な物語性

実はかねてから、ボレロのような小説を書いてみたいものだと密かに思っている。 ボレロというのは、フランスの作曲家ラヴェルが作曲したバレエ音楽のことだ。 タイトルを知らなかった人も、聞けば一発で分かると思う。 ということで、この記事は、是非ともボ…

宇宙と芸術展|思考の幅を広げる魅惑の物件

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。 本年も、週一くらいのペースでゆるゆると更新してまいりますので、よろしくお願いします。 さて、ということで、休みボケから重い腰をあげて、年明けにさっそく行ってきた美術展の所感をば。 www.mori.a…

エンデ父子の絵画と文学|ジャンルを超えて生み出されるアート

Merry Christmas! さて、クリスマスの今日、九州の実家にいる叔母から素敵なプレゼントが届いた。 叔母はとても料理が上手で、自家製の味噌やお菓子などが詰め込まれた段ボールを時々送ってくれるのだが、今回はその中に、とびきりのプレゼントがまぎれてい…

本のなかの絵

「小説」は文字だけで作られるものだが、「本」となると話は変わってくる。 絵本でなくとも、子供向けの本には挿絵が入っているし、たとえどんなに有名な文豪の作品であっても、表紙には必ずといっていいほど何かしらの絵かデザインが施されている。 いくら…

ミニマリストとジャコメッティ|アートから物事の本質を見出す

ジャコメッティの彫刻は異様に細い。 ちょっと真似して描いてみるとこんな具合である。 馬鹿にしているのかと怒られそうだが、本当にこんな感じなのだ。 http:// https://en.wikipedia.org/wiki/Alberto_Giacometti 初めてジャコメッティの彫刻に出会ったの…

静寂を表現する

静寂というテーマが気になり始めたのは、やはり絵画の影響が大きい。 ジョルジョ・デ・キリコの”Mystery and Melancholy of a Street”という絵がそのひとつだ。 日本語では「通りの神秘と憂鬱」。 アーチ型の建物が無機質に並ぶ通りを、影の差すこちら側から…

ゴッホとゴーギャン展|絵画と、画家という人間の個性

ゴッホという画家には、常々興味があった。 もちろん彼の作品も大好きだが、それ以上に、ゴッホという人間そのものに興味をそそられる。 人生の中でこれでもかというほど何度も挫折をし、紆余曲折の末ついに画家を志すもこれまたなかなか絵が売れず、画商と…

ご挨拶にかえて、ちょっと自分の話。

昔から、本を読むのも書くのも好きだ。 それと同じくらい、アートも大好きだ。 絵画や彫刻、インスタレーション、音楽、ダンス、デザイン、ファッション、建築に至るまで、”Artistic”と表現でき得るものなら何でもワクワクしてしまう。 私はもの書きという領…