Art Inspirations

素人作家のメモ箱

アートと活字を愛するアマチュア作家が運営するブログ。

ジャンルを超えて、広義の「アート」から得た様々なインスピレーションやアイデアを文章で表現していきます。
絵画、彫刻、インスタレーション、音楽、ダンス、デザイン、ファッション、建築などなど。





フィロソフィー

キュビズム展 美の革命|境界線をゆるがす思想・哲学

大人になって哲学を勉強しなおしたいと思うようになり、最近、手始めに現代思想入門という本を読んでいる。 現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也 講談社 Amazon まだ途中だが、今のところ興味深いと思ったのが、ドゥルーズだ。 一部を引用すると、 …

宮島達男 クロニクル 1995−2020|数字はアートになり得るか?

目次 数字はアートか? 宮島作品との出会い:森美術館「カタストロフと美術のちから」展 再会:東京都現代美術館 コレクション展 宮島作品が現代人を魅了する理由:千葉市美術館「宮島達男 クロニクル 1995-2020」 数字とは何か? 【参考】森美術館「STARS展…

鈴木昭男―道草のすすめ|「佇む」という感性のチューニング

環境音に「耳を澄ませる」ということを、あまりしなくなった。 外を出歩くときは、できるだけ外界からのストレスをシャットアウトするために、耳にイヤホンを押し込み、視界はスマホのスクリーンの世界に潜ったまま、目的地まで、まっすぐ足早に歩く。 満員…

オラファー・エリアソン―ときに川は橋となる|知覚できない世界の美を予感するということ

なんだか、ここ数年、人類という種の存在を見つめ直すターニングポイントの上に立っているような、ただならぬ雰囲気を感じる。 少し前、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』がベストセラーになった。 最近は、サステナビリティを意識した企業の取…

カタストロフと美術のちから展|わたしたちがアートでできること

アートで、私たちは何ができるか。戦争、テロリズム、天災、人種差別、性差別、ヘイトクライム、経済格差・・・9.11に代表される同時多発テロ事件、そして3.11を経て、社会の変容の只中にある今の時代のなかで、つくるということ、表現するということ。それ…

無音の風景

昨日は、大雪による混雑で長時間ホームで待たされ、凍えながらやっとの思いで帰宅した。 あまりの寒さにろくに景色も楽しめなかったのが悔しく、温かい家の中から外を覗いてみたら、見事な雪景色だった。 しんしんと降る雪は、雨と違って音を立てない。 家屋…

読書と創作のミニマリズム

今週は何年かぶりに盛大に風邪をひき、家に閉じこもってうんうん唸っていた。 ようやく回復してきたが、まだちょっとフラフラして遠出するほどの体力もなく、でもずっと家にいるのも悔しい。そこで近所の図書館でリサイクル市をやっているのを思い出し、リハ…

古いものに身を包み、新しさのための「余白」をつくる

昔は飽き性で新しいもの好きだった私が、いつの間にか、古着ばかり買うようになっている。 新品を買うときは、よっぽど一目ぼれした服か、あとはユニクロくらい。 大人になって、せっかく自分で稼げるようになったのにおかしな話だが、休日に使う鞄や靴もほ…

暗がりを知るということ

仕事も趣味も目ばかり使うくせに、昔から目が弱いので、寝る前には間接照明やキャンドルに切り替えるようにしている。 枕元に積んである本をあれこれ拾い読みしながら、眠気が来るのを待つ。 最近、常々気になっていた、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読み始め…

ジャコメッティ展|視覚と精神に見えるもの

ついに、念願のジャコメッティ展へ行ってきた。 学生の頃にシカゴ美術館で見てからというもの、その独特の存在感が忘れられず、たちまちファンになったジャコメッティ。 没後半世紀の大回顧展とあって、大満足の展覧会だった。 (私がジャコメッティを好きに…

「独り」を見つける写真|Find happiness in solitude

InstagramやPinterestで写真を眺めていると、自分のツボが分かる。 例えば、陰影がくっきりした、人のいないエスカレーターの写真。 だだっ広い階段を、赤い傘を差した人が降りていく写真。 湖の真ん中に真っ白な白鳥が一羽浮かんでいるモノクロ写真。 コン…

人間の生活と未来|些細な汚れが消えてしまうまえに

人間の生活は、どんどんキレイになっている。 適温に調整された室内、雨にぬれずに一日を過ごせる街、 お掃除ロボット、ヘルスケアのアプリ、 カード決済、クラウドファンディングやネットビジネス、 ノンカフェインのコーヒー、ノンアルコールビール、ター…

『江戸富士』と都心の桜

推敲も終わり、長編をついに完成させてから途端に気が抜けて、サボっていたらいつの間にか4月になってしまった。 桜も満開。 ということで、先日、友人と六本木に夜桜を見に行った。 桜を見てお酒でもひっかけて、屋内のレストランでのんびり食事でもしよう…

絵を描くように書く

詩集を、久しぶりに読んだ。 茨木のり子の『自分の感受性くらい』という詩集。 詩集のタイトルにもなっている詩をいつかどこかで読み、衝撃を受けたのを今でも覚えていて、手元に置いておきたくなって先日購入した。 なんか毎日おもしろくないなあ、最近愚痴…

宇宙と芸術展|思考の幅を広げる魅惑の物件

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。 本年も、週一くらいのペースでゆるゆると更新してまいりますので、よろしくお願いします。 さて、ということで、休みボケから重い腰をあげて、年明けにさっそく行ってきた美術展の所感をば。 www.mori.a…

ミニマリストとジャコメッティ|アートから物事の本質を見出す

ジャコメッティの彫刻は異様に細い。 ちょっと真似して描いてみるとこんな具合である。 馬鹿にしているのかと怒られそうだが、本当にこんな感じなのだ。 http:// https://en.wikipedia.org/wiki/Alberto_Giacometti 初めてジャコメッティの彫刻に出会ったの…

ご挨拶にかえて、ちょっと自分の話。

昔から、本を読むのも書くのも好きだ。 それと同じくらい、アートも大好きだ。 絵画や彫刻、インスタレーション、音楽、ダンス、デザイン、ファッション、建築に至るまで、”Artistic”と表現でき得るものなら何でもワクワクしてしまう。 私はもの書きという領…