Art Inspirations

素人作家のメモ箱

アートと活字を愛する作家の卵が運営するブログ。

ジャンルを超えて、広義の「アート」から得た様々なインスピレーションやアイデアを文章で表現していきます。
絵画、彫刻、インスタレーション、音楽、ダンス、デザイン、ファッション、建築などなど。


土地の風景を糧にする|田舎と都会で、創作について考えたこと

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 本年もゆるゆると更新してまいりますので、引き続きよろしくお願い致します! *** さて、年末年始は、数年ぶりに田舎に帰り、懐かしい風景と変わらない友人たちに心癒された連休だった。 故郷の何気な…

アートの集大成「オットー・ネーベル展」から学ぶ創作のヒント

先週末、最終日のオットー・ネーベル展に駆け込みで行ってきた。 少し遅くなってしまったが、色々と学ぶことが多かったので、備忘のために考えたことを書き留めておこうと思う。 www.bunkamura.co.jp 「知られざるスイスの画家」とポスターにもあるように、…

読書と創作のミニマリズム

今週は何年かぶりに盛大に風邪をひき、家に閉じこもってうんうん唸っていた。 ようやく回復してきたが、まだちょっとフラフラして遠出するほどの体力もなく、でもずっと家にいるのも悔しい。そこで近所の図書館でリサイクル市をやっているのを思い出し、リハ…

迷子の特権|美を見つける歩き方 in 京都

自慢ではないが、私はかなりの方向音痴だ。 入り組んだ道になると一体自分がどこから来たのかすぐに分からなくなるし、「こっちかな?」とあてずっぽうで歩くと、だいたい目的地とは逆の方角に歩き出している。 だから街を歩くときは、GoogleMapがないとどこ…

物語の在庫|日常に生じた「溝」をキャッチする

『表現のたね』という本を読んだ。 作家でありミュージシャンでもあり、自称”日常編集家”だというアサダワタルさんの著書である。 この本を買ったのはもう二ヶ月以上も前で、ブックイベントに初めて足を運び、本屋さんとの楽しい会話につられてついつい買っ…

創作のマネジメント|自己満に陥らずに書き続ける方法

ご無沙汰しております。 怒涛の追い込みの末、10月末日に無事に群像新人文学賞に応募でき、しばし放心しておりました。 ということで、今回は色々と思うことがあり、いつもと少し雰囲気を変えて、執筆について語ってみようかと思います。 ◆今回の応募の反省…

匂いたつ絵画|ヴラマンク展ー絵画と言葉で紡ぐ人生

先日、山梨県立美術館で開催されているヴラマンク展へ行ってきた。 ヴラマンクは、マティスやドランと並んで、フォーヴィズムの画家として知られる。 そのヴラマンクが、画家でありながら、優れた文筆家でもあったと聞き、ビビッときた。 有給休暇の当日朝に…

芸術のはざま|演劇はなぜなくならないのか

先週末、縁あって、ひさしぶりに舞台を見に行く機会があったので、演劇という芸術について色々と考えた。 考えてみると、演劇というものはつくづく不思議だ。 脚本・演出・監督・音響・照明・衣裳・役者と、ひとつの作品を作り上げるのに必要な仕事は映画と…

矛盾と越境|芸術の臨界点をどう超えるか

最近、芸術と言われるものが、総じて頭打ちになっているような気がしてならない。 専門家ではないのでこれは個人的な感覚に過ぎないのだけれど、それぞれの芸術の在り方や定義、あるいはそれぞれの「枠」に納まってきたものが、飽和状態になっている、という…

文字だけの世界に回帰する

現代は、特に東京という街は、情報がとにかく多い。 人も、文字も、デザインや絵や音楽も、いたるところに充満していて、それはつまりインスピレーションが山ほど湧くということでもある。 否が応でも毎日たくさんのインプットをしているのだから、書きたい…

暮らしにBGMを

映画やドラマに音楽があるように、日々の生活にも、BGMがあると楽しい。 すでに日が高く昇った休日の朝は、クラシックをかけると途端に優雅なコーヒータイムになるし、しゃれた洋楽をかければ、その日はまるで、雑誌に載ったどこかの女優や文化人のように…

古いものに身を包み、新しさのための「余白」をつくる

昔は飽き性で新しいもの好きだった私が、いつの間にか、古着ばかり買うようになっている。 新品を買うときは、よっぽど一目ぼれした服か、あとはユニクロくらい。 大人になって、せっかく自分で稼げるようになったのにおかしな話だが、休日に使う鞄や靴もほ…

暗がりを知るということ

仕事も趣味も目ばかり使うくせに、昔から目が弱いので、寝る前には間接照明やキャンドルに切り替えるようにしている。 枕元に積んである本をあれこれ拾い読みしながら、眠気が来るのを待つ。 最近、常々気になっていた、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読み始め…

ジャコメッティ展|視覚と精神に見えるもの

ついに、念願のジャコメッティ展へ行ってきた。 学生の頃にシカゴ美術館で見てからというもの、その独特の存在感が忘れられず、たちまちファンになったジャコメッティ。 没後半世紀の大回顧展とあって、大満足の展覧会だった。 (私がジャコメッティを好きに…

「独り」を見つける写真|Find happiness in solitude

InstagramやPinterestで写真を眺めていると、自分のツボが分かる。 例えば、陰影がくっきりした、人のいないエスカレーターの写真。 だだっ広い階段を、赤い傘を差した人が降りていく写真。 湖の真ん中に真っ白な白鳥が一羽浮かんでいるモノクロ写真。 コン…

芸術脳とロジカル脳|感性だけではつくれないもの

実はわたくし、特技は文章を書くことだけれども、本当は絵を描くことに憧れています。 しかも、アートが好きなくせに、本業は全然関係のないシステムエンジニアをやっています。 こんな支離滅裂な人間なので、時々自分の「できること」「したいこと」「向い…

人間の生活と未来|些細な汚れが消えてしまうまえに

人間の生活は、どんどんキレイになっている。 適温に調整された室内、雨にぬれずに一日を過ごせる街、 お掃除ロボット、ヘルスケアのアプリ、 カード決済、クラウドファンディングやネットビジネス、 ノンカフェインのコーヒー、ノンアルコールビール、ター…

360度の視界|技術の進歩が表現技法の常識を覆す?

暇つぶしにYoutubeで360度動画を見ていたら、ふと、宮崎駿監督がとあるドキュメンタリー番組で呟いていたことを思い出した。 細かいところはうろ覚えだけれど、確か、「カメラ技術の発展に伴ってアニメーションの表現方法も変化する」というような主旨だった…

日本語で雨を読む

今日の都心は雨。 沖縄・奄美は早くも梅雨入りだそうで、そういえばもうそんな季節かと驚く。 雨ってやだなあ。 ・・・とは思わず、私は結構雨が好きだ。 特に、休日の雨は何だか空気が落ち着いていて良い。 雨音に紛れて喧噪も少し遠のく気がするし、普段は…

生活空間がもたらす情報と思考のバランス

このGWで人の家にお邪魔する機会が何度かあり、ふと自分の部屋を見回したら、やたら情報が多いことに気が付いた。 私は元々部屋づくりが好きなたちで、しょっちゅう模様替えをしてインテリアコーディネートの真似事をしては、ああでもないこうでもないと理…

ミュシャ展|スラヴ叙事詩の重厚な魅力

さて、先週の国立新美術館ではミュシャ展も見てきたので、今週はそちらの感想を。 www.mucha2017.jp ミュシャといえば、タロットカードのようなイラストがまず頭に浮かぶ人が多いのではないだろうか。 精密な長髪の女神が描かれていて、背景には、意味は分か…

草間彌生―わが永遠の魂|「生」の根源を描く前衛美術

草間彌生展に行ってきた。 予想以上に、面白かった。 草間彌生という人間の根源を見たような、サブタイトル通りの「魂」の展覧会だった。 まず、展示室に入ると、巨大なオブジェと壁一面の極彩色の連作に度肝を抜かれる。 まさに草間彌生。 のっけから彼女の…

芸術の奥行き

今よりもっと五感や感性で小説や絵画を楽しんでいた頃は、漠然と、「奥行き」のある作品だなあ、と感じることがよくあった。 しかし最近は、職業病というのか(といっても相変わらずアマチュアなのだけど)、表現技法とか着眼点なんかについつい目がいき、そ…

『江戸富士』と都心の桜

推敲も終わり、長編をついに完成させてから途端に気が抜けて、サボっていたらいつの間にか4月になってしまった。 桜も満開。 ということで、先日、友人と六本木に夜桜を見に行った。 桜を見てお酒でもひっかけて、屋内のレストランでのんびり食事でもしよう…

絵を描くように書く

詩集を、久しぶりに読んだ。 茨木のり子の『自分の感受性くらい』という詩集。 詩集のタイトルにもなっている詩をいつかどこかで読み、衝撃を受けたのを今でも覚えていて、手元に置いておきたくなって先日購入した。 なんか毎日おもしろくないなあ、最近愚痴…

文学とファッション、アートとデザイン

長編をようやく最後まで書き終わり、このところ推敲ばかりしていたので、1ヶ月ほど執筆と読書漬けの毎日だった。 (ブログサボっていてスミマセン。) その反動なのか、ファッションブームが目下到来中である。 おしゃれしたい!センスのある服が着たい!髪…

「鑑賞」とは何か|デトロイト美術館展の大混雑

東京で開催されている美術展に行くと決まって、芸術作品の見方について考える。 絵画をいかに解釈するかとか、どういうふうに鑑賞するべしとか、そういう頑固親父みたいな説教を垂れるつもりなのではなくて、「絵を見る場の様子や雰囲気って、どれほど鑑賞者…

ラヴェル「ボレロ」の高度な物語性

実はかねてから、ボレロのような小説を書いてみたいものだと密かに思っている。 ボレロというのは、フランスの作曲家ラヴェルが作曲したバレエ音楽のことだ。 タイトルを知らなかった人も、聞けば一発で分かると思う。 ということで、この記事は、是非ともボ…

宇宙と芸術展|思考の幅を広げる魅惑の物件

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。 本年も、週一くらいのペースでゆるゆると更新してまいりますので、よろしくお願いします。 さて、ということで、休みボケから重い腰をあげて、年明けにさっそく行ってきた美術展の所感をば。 www.mori.a…

エンデ父子の絵画と文学|ジャンルを超えて生み出されるアート

Merry Christmas! さて、クリスマスの今日、九州の実家にいる叔母から素敵なプレゼントが届いた。 叔母はとても料理が上手で、自家製の味噌やお菓子などが詰め込まれた段ボールを時々送ってくれるのだが、今回はその中に、とびきりのプレゼントがまぎれてい…